半世紀前——カリフォルニア州バークレーの小さなレストランから「おいしい革命」は始まった。料理人であり活動家、“オーガニックの母”アリス・ウォータースが、生涯のテーマであるスローフードの世界観についてファストフードの世界観と比較しながら初めて語る。加速しすぎた社会をスローダウンするために、私たちは「どう食べて、どう生きるのか」。スローフードは、お金と時間をかけた丁寧な食事を指すのではない。食べることを通じて、“人や自然の生かし合うつながり”を取り戻し、楽しく豊かな世界をつくる方法といえる。
四六判 上製
[著者]アリス・ウォータース(Alice Waters)
アメリカで最も予約が取れないと言われるレストラン「シェ・パニース」のオーナーであり、世界中にスローフードを普及させ、「おいしい革命」を引き起こした料理人。1971年にカリフォルニア州バークレーでレストランを開業し、地産地消、有機栽培、食の安全、ファーマーズマーケットなど、今や食のトレンドとなった重要なコンセプトを実践、それはスローフード革命として世界中に広がった。ライフワークの一つとなっている「エディブル・スクールヤード(食育菜園)」は、学校の校庭で生徒が作物をともに育て、ともに調理し、ともに食べ、生命(いのち)のつながりを学ぶという取り組みで、子どもたちの人間としての成長を促す機会となっている。この活動は「エディブル教育」に発展し、日本にも広がっている。